勤め人なら誰でもそうだと思うが、私は、外食が多い。
東京・日本橋のオフィスにデスクはあるが、ふだんここにいる時間はそう多くない。
社外での打ち合わせが多いし、月に何度も緑黄色野菜についての講演で出張したり、研究施設にでかけたりする。
そのため、昼食と夕食はたいてい街の食堂やソバ屋などですませることになる。
その外食先で、いつも気になってしかたがないのが、ほかの客が食べている食事である。
たとえば、若いサラリーマンがカツ丼をかきこんでいるのを見ると、「食物繊維が足りないなあ」、OLたちがおいしそうにラーメンをすすっているのを見て、「カロチンもビタミンCもとれないな」といった調子だ。
余計なお世話かもしれないが、ついつい目がいってしまう。
日本人の野菜の食べ方はまちがっているどの人も野菜不足だ。
カツ丼についてくるわずかな漬け物、あるいは味噌汁にちょぼちょぼ浮いて見え隠れしている葉物野菜。
ラーメンにのっているシナチク。
こんなもうしわけ程度の野菜では、とうてい私たちのカラダが必要とする栄養を満たしてくれるわけがない。
こんな食事を何年もくりかえしていたら、いずれはガン、動脈硬化などの生活習慣病へまっしぐらだ。
人ごとながら心配になる。
最近、とくに気になるのは昼のランチについてくるミニサラダだ。
あれを見ていると「ああ、野菜が足りないなあ」と、ため息が出る。
ミニサラダ1皿ぐらいではとうてい野菜を食べたうちに入らないからだ。
若い女性に人気のようだが、あれで彼女たちが野菜を食べた気になって安心してしまうのだとしたら、罪つくりだと思う。
ミニサラダというやつ、あれっぽっち食べたって、栄養学的にはなんにもなりやしない。
あれで1日に必要なカロチノイド類や食物繊維をとろうと思ったら、20皿ぐらい食べなきや計算が合わない。
そんなことはできまいが、もしそうしたら、あのたっぷりかかったドレッシングのカロリーからいって、肥満することまちがいなしだ。
野菜をもっと食べたほうがいいことぐらい誰だって知っている。
厚生労働省は生活習慣病を防ぐ健康な食事のめやすとして、「健康日本21」という指針の中で1日350グラム以上の野菜をとるよう勧めているし、栄養学の専門家たちも、ビタミン、ミネラル、食物繊維の豊富な野菜をとることがいかに健康にとってだいじかを、口を酸っぱくして説いている。
こうした情報は多くの人の耳に届いており、野菜がカラダにいいことは現代の常識となっている。
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